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2022年7月7日
南予
山暮らし
埼玉県
内子町
「地に足のついた生活」子育てにも期待。
水谷円香(まどか)さん /コミュニティースペース「みそぎの里」運営

埼玉県から愛媛県に移住し、内子町の御祓(みそぎ)地区で、閉校になった小学校を活用したカフェ事業や空き教室のテナント貸しに取り組む水谷円香さん。愛媛出身の熊野慎也さんと結婚し、まもなく第一子も誕生予定だ(2022年5月現在)。新たな人生へと大きく踏み出した、水谷さんの「選択」に迫る。

閉校した小学校をカフェやテナントに活用。

もともと地域おこし協力隊として活動していたのですね。

そうです。でも協力隊になるために移住したというより、移住先として内子を選び、それから協力隊になったんです。
2014年に閉校になった旧御祓小学校をコミュニティースペース『みそぎの里』としてカフェ利用する取り組みは、私が来る前からありました。ところがうまく活用しきれていないのでは? ということがなんとなく見えてきて、自分のメインの活動としてまずはここから着手しようかなと思いました。

今はどのようなことに活用していますか。

飲食事業としては月に2回のカフェと、月に1回の配食サービスを行っています。高齢の方だけでなく子育て世代の方など、月に1回でもお弁当がもらえるとうれしいという方にお届けしています。
また2021年度からは校舎全体の空き教室の活用もスタートさせました。それぞれの空き教室に事業者さんに入っていただき、アトリエや店舗として使ってもらっています。

どんなテナントが入っていますか。

いろんな方がおられますが、内子は大洲和紙の産地でもあることから、紙関係のお店さんが多いですね。
和紙専門の印刷所、世界の手漉き紙の輸入・加工・販売兼紙を使ったものづくりができるシェアアトリエ、大洲和紙を使った小物づくりの工房などです。そのほか、カミはカミでも髪きりやさん(ヘアサロン)、コーヒーと古道具のお店、カフェ営業日に合わせた出張整体などもあります。私はこのコミュニティースペース全体の運営を任せてもらっています。

思い出深いエピソードはありますか。

私が来てからカフェスペースをリニューアルしたのですが、その際に電球を吊るすレールの値段が高くてどうしようかなと困っていたら、地元の方が「竹を取ってきて据えたらええのよ!」と、実際に用意してくださいました。そして数人集めて、見る見るうちに竹材のおしゃれなライティングレールが出来上がったんです。そのアイデアと行動力が、とても印象に残っています。

移住前のモヤモヤがすっきり解消された。

移住はどれぐらい前から考えていましたか。

振り返ってみると、大学入学直前に起きた東日本大震災がきっかけだったと思います。大学は都内の大学に2年通い、中退して京都の大学の通信教育部に入り直したのですが、学生時代ずっとモヤモヤが溜まっていて、その中からちょっとずつ選択肢として移住が浮上してきました。モヤモヤをうまく言葉にするのは難しいのですが、「地に足がつかない」という感じでしょうか。自分の暮らしがどう成り立っているのか、見えない感じです。

内子を選んだのはなぜですか。

学生時代に旅行した印象などから、移住するなら瀬戸内海を囲む県がいいなと考えていました。他県にも足を運んでみましたが、その時は決め手に欠けて、最終的に愛媛に決めました。通信制大学で和の伝統文化について学びながら、舞台制作や劇場アテンドの仕事をしていたこともあり、町の中心部に歴史ある現役の芝居小屋『内子座』や町並み保存地区があるという、内子の文化的な奥深さに惹かれました。また町中から車で10分ほどのところには里山エリアもあり、そうした多面性も魅力的でした。

移住後、モヤモヤはなくなりましたか。

首都圏で暮らしていたときのようなモヤモヤはまったくなくなりました。とにかく周りの方からいっぱい野菜をいただくのですが、どこの誰が作ったかはっきりしているし、実際に自分たちでも作るし、そういうもので食卓が構成されていることの安心感、満たされる感じは、心の豊かさにもつながっている気がします。

まさに地に足のついた生活ですか。

そのとおりです。さらに内子には各地区に移住者がいて、それぞれに魅力的な事業をしています。そうした横のつながりもあり、例えばコーヒーはここで、パンはどこで、スパイスはどこで、誰かに手紙を書きたくなったら紙はここで、と暮らしのあれこれがそういうものでどんどんつくられていくことに充実感があります。

「この子たちの生きる力はすごいな」

もうすぐ出産ですが、子育てへの期待は?

とても楽しみにしています。通信制大学のときフィールドワークで、ある県の中山間地域に行ったんですね。そこで子育てをしている方とお会いし、そういう環境で育っている子どもたちを見て、「この子たちの生きる力はすごいな」と感じました。それが、自分が中山間地域をめざそうと思った原点です。
首都圏で暮らしているときは子どもがほしいと全然思わなかったのですが、そういう環境でなら自分も子育てしてみたいと思いました。

先行き不透明な時代、生きる力は大切ですね。

「生きる力」は私の中でも重要なテーマです。子どもには自分で選択していく力を持ってほしいと思います。

一方で、実際に住んでみて地域の課題もいろいろ見えてきました。子どもたちが気軽に遊べる場所がなかったり、親の送迎なしでは友達の家にも遠くて行けなかったり。こうした課題にも『みそぎの里』として何かできればと考えています。ここは元小学校なので、遊ぶ場所はあります。ここに子どもを預けてお母さんは買い物に行くとか、お母さん同士が連携して曜日や時間を決めて交替で子どもたちを見るとか、そういう案はありますが、具体化はまだまだです。行政にもそうした取り組みを、ぜひ後押ししてほしいと思います。

PROFILE
移住先エリア
※移住先周辺の地図であり、正確な場所ではありません。
出身地 埼玉県
移住元 埼玉県
移住先 内子町
休日の過ごし方
移住後、ずっとやってみたかったお米づくりを始めました。さまざまな農機具の使い方も覚えて、楽しくお米を作っています。体自体は休んでいないかもしれませんが、農作業は私にとって「オフ」です。
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移住を検討している方へ

内子には多くの移住仲間がいて、それぞれ地域に根を張った活動をしています。そんな仲間たちはとても頼れる存在です。魅力的な活動の恩恵も受けながら、暮らしが豊かに彩られていると感じることができますよ。

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