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移住者インタビュー

自然を感じながら子育てを楽しむ幸せな田舎暮らし

宇和島市山暮らし起業フリーランス子育て

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 宇和島の市街地から車で約40分。周囲を緑の山々にぐるりと囲まれた宇和島市津島町御槇(みまき)地区は、かつて林業で栄えた人口350人ほどの小さな集落だ。「自然の中で、土に触れながら子育てをしたい」と2009年に移住した黒田太士さん(33歳)は、御槇地区の活性化を目指す福田百貨店の運営をはじめ、子どもが自然の中で感じる好奇心や自主性を大事にした自主保育グループ「みまき自然の学校」の活動にも力を入れている。

Q 田舎への移住を考えたきっかけを教えてください

 僕はもともと岡山生まれで幼稚園まで過ごし、その後大学を出るまで約20年間大阪で暮らしました。大阪では通学に2時間もかかり、都会は人が住むとこじゃないなと、大学卒業後、田舎を求めて、愛媛・松山の建築会社に就職しました。そこで6年程サラリーマンとして設計の仕事をしていましたが、「自分で食べるものは自分で作りたい」、「子どもを自然の中で育てたい」という思いがどんどん強くなって。「ちゃんとした生活がしたいな」というのが田舎に来た大きな理由ですね。

Q 移住地として宇和島の御槇を選んだ理由は?

 僕としては、全国どこでもよかったのですが、妻が宇和島市の出身で、できれば南予あたりで移住先を探して欲しいと。田舎暮らしをするにあたって夫婦でいろいろ話し合う中で、条件にぴったりあったのがここだったという感じですね。

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▲福田百貨店は明治40年に立てられた築106年の風格漂う建物。御槇地区は、戦後から昭和30年代にかけて山の仕事で大変な賑わいをみせたという

Q お二人の移住の条件を教えてください

 まず、上流に人家のないキレイな川が流れていて、星がキレイにみえること。山の集落だけど開けていて、それでいて海が近くて、おいしい海産物が食べられるところ。
 あと、近くに温泉があるといいなという条件をすべて満たしたのがここ御槇だったんです。

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▲風の強い御槇地区に植えられた風よけの生け垣のことを「せんまく」と呼ぶ。中には、カーブミラーが埋まるほどに成長した立派な「せんまく」も

Q 移住にあたって不安に思ったことはありませんか?

 一番の不安は、やはり仕事でしたね。僕の場合は、田舎暮らしのススメのような本を読んでいて、「とにかく飛び込んでみればなんとかなる!」と書いてあったのを真に受けて飛び込んでみたわけですが、実際、仕事のことは、なんとかなっています。
 たとえ御槇で仕事がなくても、車で20分ほどの岩松の市街地まで出れば、働けないことはない。とりあえず、若ければなんとかなる。贅沢をいわなければ、それこそ草刈りや、ちょっと若い人に手伝って欲しいなという仕事が、高齢化が進んだ田舎には結構あります。

Q 現在のお仕事の中心は?

 現在の収入の 9割は、もともとやっていた設計の図面をパソコンで作る下請的な仕事です。福田百貨店の運営は、地域活性化が目的なので、収入的には家計の足しにはなっていないですね。

 田舎に来て思うのは、田舎暮らしの素人一年生が、集落の中で役に立つには、もともと自分が都会で持っていたスキルや経験を活かすことなのかなと。

 田舎暮らしをはじめるきっかけとして、パソコン中心の仕事に疑問を感じる部分もあったのですが、逆に田舎はパソコンを使える人が少ない。そのおかげで、集落の人から声がかかって、国の助成金の申請書類をパソコンで作るお手伝いをして、思いも寄らない形で収入につながったことも。芸は身を助けるといいますが、そこは否定しなくてもいいのかなと。徐々にどこかで、都会での仕事から田舎での仕事に転換できればと思っています。

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▲ 20年以上空き家だった福田百貨店から発掘?した昭和レトロなお宝の数々

Q インターネットの環境はいかがですか?

 地デジ化の時に、ケーブルテレビがつながったので、ネット環境は都会と変わりません。むしろ接続数が少ないので早いぐらいで。インターネットの普及は、田舎暮らしを便利にしていますね。

Q 福田百貨店をはじめたきっかけを教えてください

 昨年、「第1回山里に沈む夕日フォトコンテスト」を開催した際に、せっかくなら作品を御槇の古民家で展示できないかなと思って、当時は空き家だった福田百貨店の家主さんに1ヶ月貸してもらえませんかと相談しました。
 その際、ここは20年ぐらいずっと空き家で、物置状態になっていたので、中のものを片付けてくれるなら使ってもいいですよと家主さんの了解が得られて。それから週に一度、一緒にフォトコンテストの企画を立ち上げた実行委員会のメンバーと協力して夜な夜な2ヶ月ぐらいかけて片付けて、1ヶ月間写真展の会場として使わせていただきました。
 写真展の期間中は結構賑わいもあり、せっかくキレイになったから、今後も何かに使えないかなと思っていたところ、「集落の役に立つなら」と家主さんも共感してくださって。
 それで、何をしようかと実行委員会のメンバーと話し合ったところ、御槇では毎年4、5月頃、山本牧場の芝桜の見物に、わざわざ宇和島や松山から1万5000人ぐらい来られるけど、他に立ち寄るところがないのは、集落としてもったいないよねという話になって。
 それで、御槇に来た時にちょっと立ち寄る場所として福田百貨店をはじめることになりました。ですので、もともと、お店をするためにこの建物を借りたわけではなく、成り行き上僕がお店を運営するようになったという感じです。

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▲御槇の山里に沈む美しい夕日を発信し、地域を盛り上げたいと企画したフォトコンテスト。福田百貨店の2階の大広間に全国の山里に沈む夕日の風景が展示されている

Q 福田百貨店ではどんな商品を取り扱っていますか?

 よく「何屋さんですか?」と聞かれて非常に悩むのですが、20年前の福田百貨店は、それこそ田舎の何でも屋さんだったそうです。
 今は、近くに農協のマーケットがあるので、日用品はそんなに揃えなくてなくてもいいかなと。それよりも、カラダにちょっといいものや、地元のおじいちゃんおばあちゃんが作った手工芸品をいくつか。あとは、木のぬくもりを感じるおもちゃも少し。
 田舎暮らしをするにあたって、まず生活をキチンとしたいという思いがあったので、カラダにやさしい、ちょっといいものをどうですかと提案する場所というコンセプトで運営しています。

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Q お店は地域のサロンのような役割も果たしているのでしょうか?

 いえ。実は、このお店をはじめるまでは、僕も地域のみなさんのサロン的な役割ができればいいなと思っていましたが、実際に店をはじめてから、お隣の衣料品店さんが、すでに地域のサロン的な役割を果たしていることに気づきました(笑)。なので、わざわざそのポジションを狙わなくて良いかなと思っています。

 今は、2Fの大広間をセミナーや映画の上映会など、イベントスペースとして利用しています。現状はどちらかというと、地元の人が集まる場所というよりも、他所から人に集まってもらう場所という感じですね。
 イベントの内容にあわせて、宇和島周辺の生産者のみなさんが集まるオーガニックマーケット「みまきマルシェ」などもここで開催しています。

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▲お店に遊びに来たちょっぴり恥ずかしがりな長男の生成(きなり)くん(1歳)

Q みまき自然の学校の活動について教えてください

 僕が田舎で暮らしたいと思った理由の大きなウェイトを占めていたのが、子どもを自然の中で育てたいということ。自分の子ども達だけを、自然の中で遊ばせていても良いのですが、せっかくなので、そういう思いに共感していただけるご家庭があれば、一緒にやりましょうと活動しています。
 みまき自然の学校のコンセプトは結構とんがっていて、基本的に大人は見守るだけで、自然の中で子どもをほっておく。自然の中で感じる子どもの自主性や好奇心を大切にするというコンセプトに共感してくれるご家族にだけ参加していただいています。今は週に1回の活動ですが、宇和島や津島から、毎回 5家族ぐらいが集まってくれています。
 御槇地区でちいさな子どもさんがいる家庭は限られていて、保育所や幼稚園がないので、みまき自然の学校は、子ども達が同世代のお友達とふれあえる場所にもなっています。

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▲福田百貨店でも販売している『土の匂いの子』は、みまき自然の学校を立ち上げるきっかけになった運命の一冊。会社員時代に本屋さんでみつけて共感し、将来こんなことがやってみたいなと思った活動を実践している

Q 普段は子どもさんと一緒に店番もしているそうですね

 はい。都会にいると、自分のそばで子どもを育てるのは難しいけど、子どもと一緒に店番できるのはすごくしあわせですね。3歳半の娘は、まさに看板娘で地域の人気者。早く大きくなってもらって、店をゆずりたいと思っています(笑)。

 子どもを幼稚園に通わせるのは社会性を身につける役割もあるのだと思いますが、お店には、いろんな世代の人が来てくれるので、社会性を身につけるにもいい環境ですね。

 あと、これは田舎暮らしとは関係ないですが、1〜3歳は子どもが一番かわいい時期。その時期を保育所や幼稚園など、人様に預けてしまうのはすっごくもったいない。ちっちゃい時ぐらい、子どもと一緒にいてあげたいですね。

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▲長女の一紬(いつき)ちゃん(3歳)とにぎやかに店番中

Q 実際に田舎で暮らしてみて、予想と違ったことはありませんか?

 だいたいは想像通りだったかなという感じですね。僕の場合、先に畑を借りて、半年ぐらい松山から週末ごとに、半分遊びがてら、趣味のように農作業をしに来ていたので、地域になじみやすかったと思います。
 現在の住まいも、畑の作業で通っている期間に、知り合ったおばちゃんに、「どこか貸してくれる家はないですか?」と、口を利いてもらってみつけました。御槇に家を借りたのは、畑を借りた半年後ですね。

 実際に田舎で何年か暮らしてみて思うのは、余所から来た全然知らない人に家は貸しにくいということ。田舎暮らしを希望する人は、できるだけ安い家賃を求めていることが多いですし、家を貸すメリットは少ない。わざわざめんどくさいことに、手を突っ込みたくないというのが本音だと思います。そういう意味で、貸してもらう人がどんな人か分かるとか、地元の知り合いに担保してもらえれば、空き家を貸しやすくなるのかなと思います。

Q 現在の一番の悩みは?

 畑をする時間がほとんどとれないことですね。僕が勝手に、店をしたり、イベントをしたりして忙しくしているのが原因ですが、今は畑で野菜を少し作っている程度。ゆくゆくは、自分でお米も作ってみたいなと思っています。
 というのも、このあたりは、標高が 250〜300mとちょっと高く、朝晩の寒暖差が大きいのでお米が本当においしい。御槇米をブランド化しようという話も進んでいるところです。

Q 今後、田舎への移住を考えている人にアドバイスをお願いします

 とりあえず悩んでいるのだったら、田舎へ行ってみたらいいと思います。 僕自身、実際に田舎に住んで、社会をみる目がだいぶ広がりました。それまでは、やはり都会からの目線で田舎をみていましたが、ニュースで見る田舎と、実際の田舎はやっぱり違う。
 田舎暮らしをするには、夢という名の幻想も必要なので、TVや雑誌が、田舎を魅力的に発信してくれるのも悪いとは思いませんが、現実には何割か差し引いて考えた方が良い部分もある。田舎で暮らすことで、人としての幅はぐっと広がるんじゃないかなと思います。

PROFILE

移住先エリア

移住先周辺の地図であり、正確な場所ではありません。

黒田太士さん(33歳)
岡山生まれの大阪育ち。2009年に宇和島市津島町御槇地区に家族でIターン。
3歳の女の子と1歳の男の子を持つ2児の父。

● 福田百貨店
http://fukuda100.com

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