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移住者インタビュー

放浪型の移住スタイルを目指すダンサー

松山市島暮らしフリーランス

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▲いよかん畑で創作舞踊を披露する木室さん。朝日を浴びながら自然とのセッションを楽しむ

東日本大震災をきっかけに、東京を離れる決意をした木室陽一さん(41歳)は、日本各地で公演を続けるコンテンポラリーダンサー。ダンスだけの収入では生活が難しいこともあり、中島で柑橘栽培をしながら、各地の公演に出向く“放浪型”の移住スタイルを目指している。徹底した平和主義者で、自然農法を念頭に、柑橘に害を及ぼすイノシシや害虫、雑草との共存の道も模索している。

Q 移住を考える上で、震災の影響は大きかったですか?

震災の影響がほとんどですね。東京で3.11を経験し、震災直後はなんとも思ってなかったけど、1年ぐらい経って、いろいろ調べるうちに、都内に長居するのはまずいかもという気持ちがどんどん強くなってきて。昨年の3月に、実家のある北九州にいったん戻りました。
だから、僕が中島に来たのは避難の意識が強かったんです。

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▲「今、ここにいて農作業をしていることは偶然にしては必然だ」としみじみ語る木室さん

Q 農音の活動を知るきっかけは?

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▲現在、木室さんは「ハッピーターンず」という管楽器のクインテットバンドでも活動中

音楽をやっている僕のパートナーが、代表の田中さんと知り合いで、「じゃあ一度、中島に遊びに行ってみようかなぁ」と思ったのが去年の夏ですね。

農音ハウスに、1週間ほど滞在して、畑を見に行ったり、草むしりをちょっと手伝ったり。あとは海で泳いだり、ボーッとしたりしていると、お隣さんから、ご飯のおすそ分けが届く。

都会で生活していると、買わないと何も手に入らないけど、お隣さんから、いろいろ食べ物をいただいたりする中で、中島には、いろんな物をみんなで分け合う譲与経済が普及しているのに驚きました。

避難するにしても、移住するにしても、一番心配なのはお金をどうするかの問題。

いっぱい出来た物はみんなで分ける。畑も空いてるから使っていいよとか、家もここ空いているから入っていいよとか、お金の心配なく暮らすことができる中島の風土って理想的だなと。

今は、若者だから、えこひいきしてもらっている部分はあると思うけど、この島には、基本的に、そうやって移住者を受け入れる風土がある。避難してきた僕にとって、それはすごく大事なことでした。

Q 島での仕事としては柑橘栽培を考えていらっしゃいますか?

震災を機に、もの作り、農業に関心を持つようになりました。
ミカンの栽培は楽しいし、ちゃんと価値を付けて売るというやり方も試そうと思っていますが、何せ農業は自然相手。僕が惹かれている自然農法は、生産にばらつきがあったり、周りの農家さんとの関係性の問題もあったりするので、そんなに一定の収入が得られるとは思えない。

基本的に僕は、作ったものや食べ物はみんなでシェアして、お金がなくても生活できる方法は確保しておいた上で、柑橘栽培以外の収入の道も考えています。

具体的には、島の風土にとても興味をもっているので、お年寄りがずっと働いてきた島の知恵が詰まった知識のアーカイブのようなものを作って、それをネットで配信するネットビジネスのような、物とは違うところでお金を稼ぐ方法も模索しているところです。

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▲「はれひめ」の畑で収穫に挑戦。収穫を終えたら剪定の技術もベテラン農家さんに師事する

Q ダンスのお仕事も続けていく予定ですか?

はい。中島を拠点に日本各地でダンスの公演を続けていきたいですね。

今まではダンスだけじゃ食べていけないと思っていたけど、こういう風に農業とネットビジネスをからめるとやっていけるかもしれない。

畑をやっている感覚って踊りとつながる部分があるんです。

農作業は自分のわがままじゃできない。実がなるときはなるに任せる。虫がいるときは、虫に任せる。自然農法に影響を受けている部分もあるんですが、あるがままの環境に任せるしかない。

ダンスも同じで、好みの合わないパートナーと踊る時に、自分が最高のパフォーマンスをするには、相手を否定するのではなくて、相手が違うということを一旦引き受けないと一緒にパフォーマンスできない。

原発のことを考えるうちに、東京とか日本とかではなく、地球規模でものを考えるようになった。

地球とどう生きようかなという考えを持つと、嫌と思わせてくれる相手の存在がいかに自分にとって価値があるのかに気づかせてもらえる。

それを発展させて考えると、じゃあ地球と一緒に過ごすのであれば、人間が自分の都合で排除していく、虫とか雑草とか、本当は引き受けた方が広くて大きなことができる。自分が獲得するのではなくて、自然から分けてもらう。そうすると譲与経済という流れにも簡単に入れる気がする。その辺で、踊りの感覚と農作業の感覚が共通するし、新しいダンスにつながる予感がしています。

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▲中島・大浦港にて。東京から訪れていた農音の仲間たちにお別れのダンスを贈る木室さん

Q 今後、移住を考えている人へメッセージをお願いします。

まずはやってみることかなぁ。計画を立てているうちにコロッと前に進むこともある。
あとは、最終的な幸せは何だろうってこと。よく定年後、のんびり釣りをしたり、お野菜を作ったりしたいって聞くけど、それって、今できるじゃん(笑)。

移住に踏み出せない理由として、経済的な問題はあるけど、僕はそれを手放してもいいや、経済無しでやろうと決めちゃったから、そういう意味では楽。大失敗してすっからかんになるかもしれないけどね(笑)。

最初に中島に来た時、「ここならお金がなくても生活できる。譲与経済バンザイ!」って、恩恵を受ける側の立場で考えていたけど、実際に島で暮らしながら農音のメンバーと話していているうちに、譲与経済の恩恵を受ける側でなく、発信する側になってみようかなと、ガラッと180度考えが変わりました。
畑も家も食べ物も、いろんなものを移住者に提供できる環境を提示する方がおもしろいなと。

僕は、島を拠点に全国でダンスの活動も続ける放浪スタイルの移住ですが、他の放浪スタイルの人の移住者も受け入れられるシステムを作りたいなと思っています。

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▲捕獲したイノシシと頂き物の野菜で作った猪汁に舌鼓。まさに地産地消の生活がここにある

PROFILE

移住先エリア

移住先周辺の地図であり、正確な場所ではありません。

NPO農音: 木室陽一さん(41歳)
居住経歴:福岡→東京&大阪→福岡→愛媛
2013年2月に福岡から松山市中島へIターン

●舞踊家 木室陽一 おどるおどる
http://blog.goo.ne.jp/kimuro_yoichi

●音楽と農業で地域を結ぶNPO農音
http://noon-nakajima.com/

●Noon Facebook
http://www.facebook.com/noon.nakajima

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