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移住者インタビュー

天空の山里で、自然体の田舎暮らしの夢を育む

久万高原町山暮らし林業子育て

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高知との県境に位置する久万高原町中津地区は、標高1200〜1500mの急峻な地形に沿って美しい石垣の里が広がる天空の山里。過疎化が進み、閉校となった小学校の旧教員住宅に、2010年夏、家族5人で仙台から移住した小池さん一家。憧れのターシャ・テューダーの自給自足的な田舎暮らしを目標に、念願の古民家リフォームに着手したばかりの小池有紀さんに、田舎暮らしの魅力を伺った。

● 仕事探しがきっかけで久万高原町が移住候補に

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小池さん夫婦は、根っからのアウトドア好き。結婚前は長野の日本アルプスを毎月のように登り、結婚後有紀さんは、山形の田舎で本格的に陶芸に打ち込んでいましたが、長男の縁空(あつたか)くんの誕生をきっかけに、一誠(かずなり)さんの出身地である仙台に生活の拠点を移すことに。

殺伐とした都会での3人の子育てに漠然とした不安を感じる中、家具職人として働いていた一誠さんの転職を機に、のびのび安心して子育てできる田舎暮らしを決意。まずは、自給自足的な田舎暮らしが実現できる「仕事探し」をはじめることとなった。

「田舎の仕事と言えば林業。ハローワークで検索する中で、林業の仕事で、条件もよく、世帯住居付きの仕事が、四国愛媛で見つかって。そこではじめて久万高原町を知りました。」

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久万高原町は、松山から車で1時間、1000mを越える四国山脈の山々に囲まれた中山間地域。スギやヒノキといった林業が基幹産業で、四国の軽井沢とも呼ばれ、夏は避暑地、冬はスキーと、一年を通して大自然に囲まれた暮らしが楽しめる愛媛県最大の面積を誇る町だ。愛媛県内でいち早く、中学生までの「子ども医療費無料化」を実現した子育てにやさしい町でもある。

「久万高原町は、山の中だけれども、町のホームページを見て、松山まで車で1時間くらいだし、田舎で子育てする上で心配だった小児科もある。実家の大阪も仙台よりは近くなるし、温暖な四国なのにスキー場もあるので、試しに面接受けてみようかということになりました。」

面接の結果、一誠さんの就職が決まり、家探しと下見を兼ねて家族で久万高原町を訪れた。

● 田舎暮らしの最大の目的は「住みたい家に暮らす」こと

小池さん夫婦にとって、田舎暮らしの最大の目的は、「自分たちの住みたい家に住む」こと。
アメリカバーモント州の山奥で、ガーデニングと動物とのナチュラルライフを満喫した絵本画家ターシャ・テューダーのような自然体の田舎暮らしが長年の夢だった。

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愛媛に住居探しに来た際、久万高原町役場の移住担当者に相談したところ、「畑付きの一軒家」という小池さん夫婦の条件に合う空き家はすぐに見つからなかったが、「あの地区なら空き家があるかもしれない」と、地元の議員さんの紹介で「中津地区」を案内してもらった。

高知県境に近い、旧柳谷村の中津地区は、若い人に来て欲しいという意識が高い地区。国道から脇道に入り、約2kmの上り坂を登ると、美しい石積みの棚田が続く集落が出現した。

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「初めて訪れたのは6月で、青々とした棚田がとてもキレイでした。南斜面でとっても見晴らしが良く、『世界遺産みたいだ』とすっかり気に入ってしまいました。ちょうど、閉校になった旧中津小学校の教員住宅が10年ほど空き家になっていたので、とりあえずここに住みながら、じっくり空き家を探せばと言っていただいて。しかも家賃は無料! 地域との人脈ができれば、そのうち空き家を紹介してもらえるだろうと、ここを拠点に、時間をかけて理想の家を探すことに決めました。」

ただ1点、久万高原町への移住で気になったのは、ムカデやゲジゲジのこと。

「仙台に、ムカデはいなかったので抵抗がありましたが、下見の際に久万高原町の移住の先輩にも不安なことをいろいろ本音で相談し、田舎に虫は付き物だし、思い切って愛媛に引っ越すことに決めました。」

● 3人のお子さんの子育て環境はいかがですか?

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「小3の長男と小1の長女が通う柳谷小学校は、全校生徒がわずか10人。保育所、小学校、中学校が同じ敷地にあり、国道に面した中津地区の入り口のバス停まではスクールバスの送迎があります。小3と小1は学年に1人だけなので、文字通りマンツーマンで、しっかり見てもらっています。 長女の彩織(あかり)は、少し神経質なところがあったのですが、こちらに来てからは、のびのびしすぎっていうぐらいに個性を発揮するようになりました。

お兄ちゃんの縁空(あつたか)も、仙台にいた頃は、大勢のクラスメートの中でそんなに目立つことはありませんでしたが、今は先生がじっくり目をかけて下さっているおかげで、作文が苦手だったことなど、今まで気づかなかった部分にも気づくことができました。次女の遙日(はるか)も保育所がとっても楽しいらしく、休みの日でも通いたいと言うぐらいで。ただ、地域にもう少し子どもが増えてくれるといいなとは感じています。」

● 毎日の田舎暮らしは忙しいですか?

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「子どもを学校に送り出して、家事を済ませ、田んぼや畑に行ったり、味噌や梅干しを手作りしたり、あとは地域の頼まれごとを手伝ったり。地域に若者は少ないので、地域の草刈りや麦刈りなど、何かと声がかかる機会は多いですね。

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私の念願だった畑や田んぼ、茶畑も借りていろいろ育てています。畑仕事の分からないことは、地域の方が教えてくれます。あと、お野菜は、近所からもたくさんいただきます。「夢ファームやなだに」の水耕栽培のレタスも新鮮でおいしいですよ。

普段の買い物は、生協の配達があるのでほとんど困りません。お肉などは、週に1回、町の生協でまとめ買いして冷凍しています。

あと、毎週金曜日の夜には、柳谷支所の陶芸教室にも通っています。大阪にいた独身時代からずっと陶芸は好きで続けています。昔は、おもに信楽焼の土を使っていましたが、今は愛媛の伝統工芸品の砥部焼も作っています。

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もともと、古い物や手作りが大好きで、家財道具は、仙台時代にフリーマーケットで格安で手に入れた古道具や家具職人だった夫が手作りした家具が多いですね。先日も、ご近所の空き家を解体するとき、『家財道具はなんでも持って行っていいよ』といわれて、レトロな足踏みミシンをゲットしたところなんです。」

● 一誠さんの林業のお仕事は順調ですか?

「林業は体力的にはきつい仕事ですが、雨が降るとお休みになります。雨の日や仕事を終わってからの楽しみは釣り。職場の人と一緒に、アマゴやアユ釣りを楽しんでいるようです。先日も、仕事が終わってから、面河(おもご)へ鮎釣りに行き、新鮮な鮎をたくさん持って帰ってくれました。」

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● 地域にはすぐに溶け込めましたか?

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「こちらに来て一番驚いたことは、地域の人がひっきりなしに、野菜や山菜などを持って家に遊びに来てくれること。このあたりは、愛媛の中でも高知県との県境近くなので、あけっぴろげでおおらかな土地柄。人付き合いが濃厚で、飲み会が多いのも、そうした地域性があるのかも。飲み会をするために地域の行事があるのかなと思うほどで、多い時には、月に1〜2回飲み会が開かれます。おかげで、こちらに来てすぐ地域のみなさんと打ち解けました。どことなく私の実家の大阪っぽいところがありますね。」

子どもを3人も連れて移り住んだ若い夫婦は地域の宝。とりわけ、地域のおじいちゃん、おばあちゃん達の喜びは大変なものだったという。そんなアットホームな中津地区では、毎年春、樹齢約230年の天然記念物「西村大師堂のしだれ桜」を囲んで「中津桜まつり」を開催している。期間中は、数千人が訪れる地域のビックイベントだ。

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「私たちも桜まつりに参加して、手作りの陶芸作品を販売しました。こちらの人にとって、地元の砥部焼はあまり珍しくないようなのですが、信楽焼はたくさん買っていただきました。」

● 念願の「畑付き1軒家」も見つかったそうですね?

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「会う人会う人に「空き家ありませんか?」と声を掛けていましたが、2011年秋、インターネットの地図で中津地区を見ている時に、誰も暮らしていない空き家を発見しました。
現地に行ってみると、30年ほど空き家になっていた母屋と倉庫を発見。家の目の前は、石積みの段々畑で、その先には緑の山並みが広がっていて、理想的なロケーションだなと。
さっそく地域の人に聞いて、現在は兵庫県で暮らしている持ち主の方に連絡をとったところ、「ずっと使っていない建物だし、これからも使う予定がないから、好きに使ってくれて良いよ」とトントン拍子で貸していただけることになりました。
家までの私道は、地元の建設会社にショベルカーで整地してもらいましたが、あとは、お金をかけずできるだけ自力で時間をかけて手を入れていきたいと思っています。来年の冬には、こちらに移れたらいいなと。
古民家のリフォームが完了したら、手作りした陶芸や家具のギャラリーや、子どもたちが田舎暮らしを体験できる場も提供したいと思っています。ヤギやニワトリも飼って、ピクニック感覚で遊びに来られる空間を目指しています。」

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▲リフォーム作業中の一誠さん。「建物の傷みは激しいけど、柱はしっかりしているし、屋根の雨漏りもない。中も自由に改装して構わないと言ってもらっているので、家は、ジョージ・ナカシマ(※1)みたいに! 庭は、ターシャ(※2)みたいにしたい!と頑張っています。子どもが大きくなるまでは現金収入も必要ですが、少しずつ自給自足の生活にシフトできればいいですね。

※1:ジョージ・カツトシ・ナカシマ。アメリカの家具デザイナー・建築家。
※2:前述のターシャ・テューダーさんのこと。

● 今後、田舎暮らしを考えている方にアドバイスを

「私たちは、「自分の住みたい家に住む」というのが田舎暮らしの一番の目的でしたが、田舎暮らしで何がしたいのか、しっかり想像してから実行に移すことが大切だと思います。そして移住する前に、必ず現地を訪れて、自分の目で地域の実情を確かめることが重要です。」

行政の移住相談窓口に行けば、いろいろ相談にのってもらえるが、行政の情報やサポートには限界がある。「田舎暮らしでこれをしたい」という強い思いを持って、地域に暮らしながら、地域の人とのつながりを築いていく。そういう手間をかけないと田舎暮らしはなかなか上手くいかない。

「田舎暮らしへの強い思いがある人が増えて、地域がどんどん賑やかになってくれるとうれしい。そして、地域に子どもがもっと増えて欲しいなとの思いから、ブログで田舎暮らしの魅力を発信しています。中津地区のある旧柳谷村は、松山まで車で1時間、高知まで1時間半の環境で、美しい川にはアユ、アマゴ、ホタルがいて、夏は涼しく、冬はスキーが楽しめ、四国カルストという素敵な場所があります。柳谷にぜひ移住してきて欲しいと、心から願っています。」

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小池さんが中津地区に移住して約2年。当初は、すべて空き家だった旧教員住宅だが、今では単身仙台から移住した小池さん夫婦の友人をはじめ、地元出身の若者がUターンしたり、地域の夫婦が移り住んだりして、全5戸すべて満室状態となっている。

人が増え、子どもが増え、地域に賑わいが生まれる。過疎の地域や学校では、移住者への期待は大きい。小池さん一家の移住が中津地区にもたらした恩恵は計り知れないようだ。

PROFILE

移住先エリア

移住先周辺の地図であり、正確な場所ではありません。

2010年7月、家族5人で仙台から久万高原町中津地区にIターン

小池一誠(かずなり)さん(35歳)仙台出身 有紀さん(33歳)大阪出身 
長男 縁空(あつたか)くん 9歳(小3)
長女 彩織(あかり)ちゃん 6歳(小1)
次女 遙日(はるか)ちゃん 3歳(年少さん)

●四国田舎暮らし〜田舎に移住しませんか〜
http://sikokura.exblog.jp/

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