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移住者インタビュー

「いつか」の夢…だったはずが、運命の出会いで島カフェ開業が叶った

今治市島暮らし起業

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しまなみ海道の中でも、ひときわ雄大な海の眺望が楽しめる今治市宮窪町の友浦地区。その隠れ家的カフェとして遠方からも人が集うのが「食堂みつばち」だ。オーナーの田中敦さんは2011年、サラリーマン生活に別れを告げ、松山市から移住した。子育て真っ最中でもある田中さん夫婦に、職や住まい探し、子育てについて、飾らない感想を伺った。

Q 大島に移住をしようと思ったきっかけは?

【敦さん】昔から「田舎暮らしをしたい」という想いはあって、移住先を選ぶのにこの「e移住ネット」はよく見ていました。関連ページにあった、内子町の「菜月自然農園」の和田さんの記事に刺激を受け、実際に何度か内子町へ足を運んだこともあります。そのうちに「自分は山より海のそばで暮らしたいんだ」ということに気が付き、ふと思い出したのが、よく遊びに行っていた大島でした。

Q その大島で、運命的な出会いがあったんですよね?

【敦さん】そうなんです。移住を視野に入れて大島へ通ううちに、カフェ「Paysan(ペイザン)」のオーナーであり先輩移住者でもある求(もとめ)さんご夫婦と知り合いました。最初は「お客さんとお店の人」という間柄だったのですが、お二人が島暮らしを楽しんでいる様子を聞いているうちに、「自分たちもここでなら暮らしていける!」と気持ちが盛り上がりました。求さんの繋がりで島内に借家が見つかったこともあって、「とりあえず島に行こう、仕事はそれから探そう!」と移住に踏み切ったんです。

その後も、Paysanご夫婦には大変お世話になり、あの二人がいなければ今の僕らはないというほどなんです。

Q お仕事が決まらないまま、移住されたのですね!

【えみ子さん】はい、でもあまり心配はしていませんでしたね。当時、私は看護師をしていたのですが、求人が島内にもあったんですよ。「もし夫の収入がなくても、食べていく分ぐらいなら稼げる」と思っていたので。でも結局、夫は移住後すぐにカフェを始めることになり、私も店を手伝ったり、出産があったりして看護職には戻らず今に至っています。これはこれで楽しいですよ。

【敦さん】実はカフェ経営は長年の夢で、Paysanの求さんにもそんな話はしていました。とは言え「定年後やいつかの夢」というのんびりした感じだったので、仕事は別で探すつもりでした。ところが引っ越しの間際、突然自宅に求さんから電話がかかってきて「知り合いの別荘を何か楽しいことに使ってほしいと言われている。食堂をしようと思うんだけど一緒にやらない?」と。ちょうど求さんも、店舗のデザインやプロデュース等に興味があったそうで。普段は優柔不断な僕ですが、物件・人・タイミングの3拍子がそろった絶好のチャンスに、電話口で「はい、よろしくお願いします!」と即決していました。

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▲実は客席にサーブするのが苦手という敦さん。背伸びをしない気さくな人柄も魅力

Q はじめてのカフェ経営はいかがでしたか?

【敦さん】お店を始めたのは移住した年の12月ですが、僕の前職は住宅メーカーの営業マンだったので、まったくの異業種参入です。なので、最初は求さんがオーナーで僕は店長。Paysanの姉妹店という形でスタートさせていただきました。そこでイチからカフェ経営のノウハウを教わって、2年後の20134月に独立。「食堂みつばち」という店名は、「ここに色々な技術や面白い特技をもった人が集まるように」とPaysanの奥さんが名付けてくれました。求さんご夫婦には感謝してもしきれません。

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▲夏休み返上でテラスづくりを手伝ってくれたPaysanの息子さんの作品

Q お店の改装も自分たちで行ったとか?

【敦さん】はい。元が別荘だったので、キッチンなどはすでにありましたが、水色のサンルームは元々あった古いウッドデッキを取り壊して増築しました。Paysanご夫婦が古民家の廃材やいただきものをフル活用して店づくりをしてくれ、ほかの移住者さんもテラスのペンキ塗りや小物作りを手伝ってくれました。おかげさまで、時間はかかったものの通常の起業では考えられない低予算でお店をオープンすることができました。

僕が作った窓の桟は、寸法をぴっちり合わせるのが難しくて隙間から風がビュービューで(笑)。後からコーキング剤で埋めたりしましたが、それも手作りならではの愛着がありますね。

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▲別荘の面影を残す佇まい。水色の部分をサンルームとして増築した

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▲敦さんが奮闘した窓枠と、えみ子さんが描くメニューのコラボ

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▲家族で過ごす時間を大切にしている

Q 今のお住まいについて教えてください。

【えみ子さん】最初に住んでいたのは借家ですが、出産を機に土地を買って家を建てました。やっぱり友浦に住みたくて色々な方に聞いて回っていたら、安く譲っていただけることになって。今はまだ資金が充分にないので、食べるところと寝るところだけの最低限の作りにしてもらいました。また余裕ができてきたら、子ども部屋なども増築していきたいです。

【敦さん】お店を改修したときのDIYスキルを活かして、ウッドデッキを自作しました。仕事の合間に、休み休みですが、それでも半年ぐらいで完成しましたよ。

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▲将来的には部屋や庭木も増やし、賑やかになっていく

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▲敦さんが腕を振るったウッドデッキの前で

Q 大島の出産や子育て環境はいかがですか?

【えみ子さん】移住3年目で長女が生まれ、今年の7月には二人目が産まれる予定です。長女のときは、お産前の受診は今治市内中心部の病院で受けて、出産は里帰りしました。大島にも病院はあるのですが小児科と産婦人科がないので、しまなみ海道の橋を渡って病院に通うのは、正直、橋の通行料がお財布に痛かったですね。逆に言えば、それ以外の不満はまったくありません。この島で子育てができて本当によかったと思っています。

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▲絵描き歌に目を輝かせる麦ちゃん

Q 島で子育てをして、よかったことは?

【敦さん】松山市街地はスーパーマーケットやコンビニが近くにあって便利ですが、島では子どもが散歩をしていると、近所の人から野菜をもらって、まるで買い物をしてきたみたいに帰ってきます。親が知らない島の方が子どもの名前を覚えていてくれて、地元の方に温かく見守ってもらえる環境は子どもの成長にもよいと思っています。

【えみこさん】娘の自然に対する感受性が鋭敏になって、私たちも驚いています。海や月のちょっとした変化や鳥の営みにも気付くんですよ。彼女は毎朝一番早く起きて、私たちを起こしに来るのですが、先日も朝から「外が黄色くなってるよ」って。よく考えたら、朝日って出始めが赤くて時間が経つと黄色くなるんですよね。「すごいなぁ、自然の中で育っているんだなぁ」と感動しました。島に高校がなくなってしまったのが残念!ですが、小中学校はちゃんとあるので、先のことはその間に考えればいいかと(笑)

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▲娘の成長をそばで見守れるのは、自営業ならではの喜び

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▲遊び疲れて眠る姿も愛おしい

Q 楽観的でいらっしゃるんですね

【えみこさん】自分が看護師をしていたのもあって、「人間ってぽっくり逝ってしまうものなんだな」と、しみじみ感じるんです。すごく素敵な人でも寝たきりになってしまったら誰もお見舞いに来ないこともありますし。「今」がいつまでも続くわけではないというか。「だったら動けるうちにやりたいことをやろう! 楽しく生きないと!」というのが一番にありますね。

Q 友浦地区の魅力はなんですか?

【敦さん】大島は海の眺めも素晴らしく、温暖で、柑橘栽培や漁業など人々の生業も豊か。知らない人からは「大島の人って荒っぽいの?」と誤解されることもありますが、大島の中でも宮窪町は漁師町、吉海町は農業の町で、とても温かい人たちばかりなんですよ。特に僕たちの住んでいる宮窪町の友浦地区は最高ですね。田舎って、集落によっては新参者が入りづらい雰囲気のところもあるそうですが、この友浦は、最初から溶け込みやすかったです。

【えみこさん】人が人を呼ぶのか、移住者も多いんですよ。昨年来た男の子は、家をゲストハウスにしようと頑張っていますし、今年は8人の大家族や、京都から農業移住で来るご夫婦など、私たちと同じ2030代の若い人たちが増える予定なので、今からワクワクしています。

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▲季節ごとに表情を変える海は、心まで豊かにしてくれる

Q 今後の目標はありますか?

【敦さん】これはまだ、誰にも言ったことがなかったんですけど……。今後は「元々友浦に住んでいた方」たちが喜ぶイベントも企画してみたいですね。外から出店者を呼ぶのも面白いですが、もっと地元に焦点を当てたいと思っています。例えば友浦には、柑橘や野菜、タイの養殖など、さまざまな作り手さんたちがいます。その作り手さんたちの拠点を巡る「回遊型のイベント」をやってみたりしたいですね。

まだ妄想段階ですが、これからは同世代の移住者も増えていくので、「彼らを巻き込んだら、何かできるのでは」と実現できそうな気がしています。

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▲島レモンのアーモンドケーキ(ランチとセットで+200円)

Q 移住を検討している人にアドバイスは?

【えみ子さん】「移住したいなら、とりあえず移住してみては」というのが本音です。

 食堂みつばちにも、そういう移住希望者が訪ねてくるようになりましたが、住むところと仕事はこだわらなければ、移住先はありますよ。まずは移住してみて、理想はゆくゆく探していけばいいんじゃないかなと思います。

【敦さん】覚悟が決まっているなら、思い切って移住しちゃえばいいと思います。なんとでもなりますよ。僕もサラリーマン時代の10年間、田舎暮らしに憧れていましたけど、考えすぎると「お金はどうする?」「仕事は?」などマイナス要因ばかり浮かんでしまうんですよね。自分たちの経験を振り返っても思いますが、「とにかくまず行動!」ですよ。

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PROFILE

移住先エリア

移住先周辺の地図であり、正確な場所ではありません。

田中敦さん(38歳)、えみ子さん(33歳)、麦ちゃん(2歳)。2011年、松山市から今治市宮窪町へ移住。2013年に「食堂みつばち」をオープン。店内ではカフェの他、定期的に講師を呼んで陶芸やヨガ教室を実施。音楽イベントなども積極的に行っている。

食堂みつばち

愛媛県今治市吉海町仁江1876-1

TEL0897-84-3571(火・水曜定休)

http://r.goope.jp/mitsubachi

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