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移住者インタビュー

スイスの本格派窯焼きパンで、大島をもっと元気に

新居浜市島暮らし起業

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新居浜市黒島港から船で15分。穏かな瀬戸内海に浮かぶ、人口約250人ほどの大島に移住してきたのは、スイス人のジャック・マニャンさん、ゑつこさんご夫婦。二人とも本業は芸術家という顔を持ちながら、2012年、自家製の窯で焼く「ジャックのパン屋」をオープン。すでにその人気は県内外に及び、ジャックさんのパンを求める人で、島はにわかに活気づいている。

Q 移住の経緯を教えてください。

(ゑつこさん)・・・結婚してスイスに住んでいたんですが、いろんな事情が重なり、2008年に帰国。私は神奈川出身だし、ジャックも東京で働いた経験があったので東京で暮らし始めました。だけど、残念ながら近隣からの騒音問題に悩まされて。私は普段、アニメなどの背景美術画家、ジャックはジュエリー作家として仕事をしてるので、静かな環境で集中して仕事をしたいのにそれができない。それで、「静かなところに家を買おう」と。二人とも古い日本家屋が好きだったし、ジャックは渓流釣りがすごく上手なので、海か川の近くで物件を探すことにしました。

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▲元は納屋だった場所を自分たちで改装した

Q 家探しはどうしましたか。

(ゑつこさん)・・・インターネットの不動産情報です。それでここを見つけて、新居浜の不動産屋さんに連絡したら、「すみません、行ったことないんで見てきます」って(笑)。実はここ、島で初めて売りに出た家だったんです。不動産屋さんが送ってくれた写真やDVDを見て、「気になるからちょっと見に行ってみよう」と、初めて四国にやってきたのが2009年。それから1年かけて引っ越しの準備をしました。

(ジャックさん)・・・いろんな所を見たけど、ここが一番気に入ったんです。家もそんなに直すところがなかったし、すぐ住むことができた。それに、場所がちょっとスイスに似てるなと思ったんです。港から海を見ると、すぐ向こうに山が見える。風景がちょうどレマン湖みたいで。湖の向こうに見えるのがフランスの山(笑)。おもしろいなって思いましたね。


Q移住されて、島の方々の反応はどうでしたか?

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▲自家製のパン窯から焼きたてのパンを取り出す

(ジャックさん)・・・公民館の方が、引っ越し前にみんなに「今度、スイス人の夫婦くるよ」って宣伝してくれたみたい。来てみたら、みんなに話しかけられて驚きました。東京では、2年間住んでいて近所の人で話したのは二人だけだったから、すごく不思議な気持ちになりました。

(ゑつこさん)・・・最初はこんなちっちゃな島に外国人が来て……って心配したけど、みんな「ジャックさん、ジャックさん」って(笑)。引っ越しも一緒に運んでくれたりして、すごく助けてもらった。ここは困ったことがあっても、人のつながりで助けてもらえることが多いですよね。人もいいし、あったかい。犬の散歩に行って、大根もらって、魚もらって帰ってくるなんて、神奈川じゃ考えられない(笑)。

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▲人気のスイス伝統のみつあみパンや天然酵母パンなど


Q 困ったこと、不便だったことは?

(ゑつこさん)・・・新居浜市への船が1時間に1本出てるから、交通の便はいいなって思ったんです。だけど、まさか市内では昼の時間帯にバスがないとは(笑)。その頃は自転車もなかったから、駅から8キロ歩きましたよ。それに、東京の感覚だと、駅周辺が街の中心なんだけど、ここはどこが市の中心で、どこに銀行があるのかわからない。最初はよく道に迷ってましたね。

(ジャックさん)・・・私は東京のほうが不便だと思う。人のつながりはない、家賃も食事も高い。みんなすごく働いて、すごく疲れてる。私も東京で働いたことがあるからわかります。でも、何のために? 田舎の生活のほうがシンプルだから、つまらないと感じるのかもしれないけれど、森がある、海もある。どうしてみんな大きな街に住みたがるのか、私にはわからないです。

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▲りんごたっぷりのアップルパイも人気


Q パン屋を開くきっかけは?

(ゑつこさん)・・・最初は、パン屋なんてするつもり全くなくて。元々ここは納屋で、ジャックの工房にする予定だったんです。でも柱が全部だめだったので一度壊すことになって。それで新たに窯を作ることにしたんです。おいしいパンが食べたいねってよく話していたので。
家庭用のつもりで窯を作っていたら、島の人たちが「なにしてるの」「なにそれ」って(笑)。それがだんだん、「パンを焼くならパン屋にしてよ」って言われるようになって、じゃあやってみようかと。いろいろ調べたり、営業許可取ったりしているうちに話題になって、開店当初からメディアも盛り上げてくれました。大島でパン屋をやるなんて、かなり珍しかったみたいですね。

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Q 今ではイベントにもたくさん出店され、人気ですね。

(ゑつこさん)・・・最近は主催者からの招待も増えていますし、これからもいろいろ出ていきたいですね。でも開店当初は、二人とも芸術系だし、商売が何たるか全然わからなかった。客足にも波があるし、売れ残ったパンを廃棄したことも何度もあります。今は予約制にして少しずつ安定してきたけれど、でも、綱渡りには変わりない。でも、それも楽しいんです。安定しちゃったらつまらないよねって。


Q ゆくゆくはカフェもオープンされるそうですね。

(ジャックさん)・・・今、土地を借りて馬3頭、ヤギ10頭飼っています。動物との暮らしは、パン屋を始める前からの構想。これから、ヤギのミルクでチーズを作りたい。ミルクを使った石鹸も作って売りたい。そのためには、店のスペースも少しきれいにしないと。パン屋以外にもやることはたくさんあります。

(ゑつこさん)・・・カフェは、チーズを作って販売したいっていうところから始まっていて。でも、調べてみたらチーズ製品の製造・販売は資金的に無理だけど、飲食店としてなら可能っていうことがわかったんです。だったら“スイスの山のカフェ”を作ろうって。でも去年は天候に恵まれず、建設がなかなか進んでない。私たちって、なんでも決めるのは早いけど、悩むのはあとなんだよね(笑)。

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▲スイスの山を思わせる牧場。動物たちがとにかく元気


Q 本業とのバランスは?

(ジャックさん)・・・今はほとんどがパン屋(笑)。パンを作るのが楽しい。ものづくりは大好きだし、これからも続けていきたい。今、自分がしたいのは、自然のもの、いいものを、自分で作って暮らすこと。時々、私のパンを高いという人もいるんです。だけど、いい材料を使って手作りした、パンのダイレクトな値段です。いいものを作って、それだけの理由がある値段でお客様と分け合う。それが、私の働く「軸」になっています。


Q オンとオフの切り替えは?

(ゑつこさん)・・・オンとオフをぜんぜん分けてないですね。毎日やることがいっぱいで。だから、ボートで海に出たり、釣りに行ったりする余暇は、日常の中で隙間を見つけて、「今、行く?」みたいな感じ。潮や天候を見ながらね。自然がいっぱいだから、楽しめることはたくさんある。自然の営みに人間が合わせないといけないですよね。

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▲店内に飾られた故郷スイスの写真


Q お二人は喧嘩することもあるんですか?

(ジャックさん)・・・喧嘩はしょっちゅう。24時間一緒だからね。ずっと一緒にいるのは簡単なことじゃない。それぞれ好きなこと、したいことが違っているので。でも私の場合は、喧嘩してもすぐ忘れる。鍋のふたがパーンと開いて、それで終わり。

(ゑつこさん)・・・わたしたちは国際結婚で、ジャックは日本語の中で生活しているのでストレスが多いのも当然。喧嘩したほうがいいんですよ、そうしないと分かり合えない。喧嘩するほど仲がいいっていいますけど、島の奥さんたちも基本的にはそうだと思う。みんな仲がいいなって感じます。

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▲新居浜―大島間を往来する船


Q これから移住を検討される方にアドバイスを

(ゑつこさん)・・・ジャックと私の引っ越し回数を足すと、30回を超えるんです。これまでにいろんな所に引っ越して、いろんな所を見てきた。ここは長いほうです。だけど、どこに行っても、よいとこもあるし悪いとこもある。ここはいい所だ、悪い所だとか決めつけちゃもったいないですよ。毎日いろんなことが起こるのは当たり前で、それを解決していくごとに勉強するし、楽しめるようになっていくんだと思います。

(ジャックさん)・・・今私が一番悲しいのは、島にゴミを捨てる人がいること! これが一番悲しい。島は、私たちがいる時間より、もっと長く続いていくもの。島を元気にする方法はたくさんあると思う。カフェもそのひとつだし、使わなくなった学校を使って会社を作ることもできるかもしれない。自分たちがいる間のことだけじゃなくて、その先に続く島がもっと元気になる方法で、自分にできることをしていきたいって思いますね。

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PROFILE

移住先エリア

移住先周辺の地図であり、正確な場所ではありません。

ジャック・マニャンさん(50歳)、ゑつこ・マニャンさん(53歳)

ジャックさんはジュエリー作家、ゑつこさんは背景美術画家という本業の傍ら、新居浜市大島に「ジャックのパン屋」をオープン。目下、カフェも建設中。

ジャックのパン屋 http://akaikama.jimdo.com/

Facebook https://www.facebook.com/aunjetdepierre

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