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移住者インタビュー

あこがれの田舎暮らしとパン屋さんの夢を松前町で実現

松前町まち暮らし起業

松山市にほど近い松前町の県道326号沿いに、ユニークな青い文字で書かれた看板が目立つパン屋がある。電気会社に勤めていた諏訪智彦さん(39)は「自分の店を開きたい」という学生時代からの夢をかなえるため、サラリーマンからパン職人に転身。妻・美鈴さんの実家がある松前町に移住して、2012年にパン屋「すわぱん」をオープンした。幼少時代からのあこがれだった田舎暮らしをしながら、夫婦で心のこもった商品を提供している。

Q松前町に移住までの経緯を教えてください

元々、料理をすることも、食べることも好きで、そういうお店を持てたらいいなあと学生時代から漠然と思っていました。サラリーマン時代、独学で自家製の酵母パンを作ったことがあり、発酵という工程に興味を持ちました。大学の卒業研究の題材が水の浄化や微生物の働きについてでしたし、勤めていた会社では排水処理の際に微生物を使うこともありました。酵母菌やイースト菌などについて、本を読んで勉強し、何度もパンを作ることで「もっとおいしいパンが食べたい!」と思うようになったんです。そして、パン屋をやってみようと決心し、33 歳の時、 9 年間勤めた電気会社を退職しました。
東京の日本パン技術研究所に入って、100日間の製パン技術教育コースで勉強しました。ここはプロが行く学校で、パン屋さんに勤めている方々や、大手のパン製造会社の方々が、もっと踏み込んだ発酵の過程やパンの製造工程を理論的に学べるところです。その後、横浜のパン屋で2年間、修行をしました。妻の実家が松前町にあって、妻の両親には「松前町に戻って、店を開きます」と言って、修行に行かせてもらいました。

Qでは、移住先は松前町と初めから決めていたんですね

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お盆とか正月に松前町に来ていましたし、サラリーマン時代には、松山に1年間住んでいたんですよ。その時から、私にとっては、松前町が一番住みやすそうだなという感触があったので、ほかの移住先は探していません。いまは妻の実家の近くに住んでいます。
ただ、お店は街中のほうがいいのかなと思って、松前町のほかにも松山市内の空き物件を探しました。最終的にここで店を始めたのは、松前町に私がやりたいスタイルのパン屋さんがなかったこと、あとは中四国最大級のショッピングモール「エミフルMASAKI」がある。それに、全国的に知られる大きな会社があって、いろんな土地から来られている人が多い土地柄なのもいいなと。他にも、自宅から店までの通勤時間など、いろんなことを考慮して今の場所に決めました。

Q松前町のイメージは?

妻には「なーんもないよ~」って言われていましたが、まさにゆっくりしているというか、田舎というイメージですね。妻の実家は松前町でも、近くには田んぼと畑しかない。でも、私にとってはそういうのが逆によかったんです。私の祖父母の家は、父方が鎌倉で、母方が東京都内だったんです。夏休みになると友だちから、「田舎のおばあちゃん家に行ってきた」とか、「自然の多いところに行っていた」という話を聞いてすごくうらやましかった。だから、田舎へのあこがれは昔からありました。私の実家は横浜の下町で、大学時代は実家から千葉まで電車で通っていました。通学時間がちょうど通勤ラッシュと重なって、満員電車に乗るのがイヤで…。就職するなら田舎のほうで探したいと思っていました。巡り合わせで、就職先も四国の電気会社にお世話になることになったんです。

Q松前町の魅力はどんなところですか?

一番いいなって思うことは、どこに行くのも近いこと。県庁も空港も近いし、街に遊びに行くのも、松山市内中心部まで車で15分ほど。疲れたから温泉に行きたいなって思えば、すぐに行けるし、海水浴も伊予市の五色浜まで車で15分ほどの距離。近くには、エミフルMASAKIもありますしね。何をやるにしても、すべてがギュッとコンパクトにまとまっています。横浜でどこかに出かけようってなったら、電車を乗り継いで数十分はかかるため、松前町の暮らしやすさをあらためて実感します。

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▲ファッションから映画館まで、200以上のショップが入るショッピングモール・エミフルMASAKI

Q松前町に移住して、驚いたことはありますか?

地域に残る伝統行事に驚きました。お神輿や獅子舞などの秋祭りのほかに、子どもたちで行ういろんな行事があるんですよ。宵祭りの時、子どもたちが「もてこい、もてこい」と言いながら、近所の民家を回る「高張」や、五穀豊穣や家内安全を願い、歌を歌いながら、各戸を石やワラをついて回る「亥の子」などがあります。田舎ならではの独特の地域行事には驚きもあるし、おもしろいと思います。お米を収穫できたことをお祝いしたり、大切な行事にするのは横浜の実家近くでは全然なかったので。新鮮だし、子どもたちにとっても、とてもいいことだなあって感動しました。

Q松前町にパン屋さんを開いて何か感じたことはありますか?

ウチの商品は材料にこだわっているので、どうしても商品の値段が高めなんです。昔からのパン屋さんというイメージで来られるお客様には「高いなあ」と言われてしまうこともありますが、食べていただいた後に「ここのパンは高いけど、おいしいね」とおっしゃっていただけることもあります。松前町のお客様はストレートに意見を言われるんですけど、裏がなくて、すごく温かみがあるんです。身内を心配する感じで、はっきりと言ってもらえるので、うれしいし、楽しい。おみやげに買っていただいたり、「あそこの店のパンはおいしいから行ってみたら、とみんなに宣伝しといたからね」と言ってもらうことも。みなさんに、仲良くしていただいています。

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▲常時50種類以上のパンが並んでいる

Q看板商品の「すわぱん」はご自身で起こした酵母菌を使っているそうですね

そうですね。オープン当初から作っている人気商品の「すわぱん」は、自分で起こした酵母菌をずっと注ぎ足し、注ぎ足ししながら使っています。ここにしかないオリジナルパンを作りたいという思いがあったし、それを使って作ったパンがおいしかったというのが理由ですね。パン作りで一般的な「イースト菌」は、いわばエリート集団のようなもので、パンを作るのに適した菌を全部集めたものなんです。でも、イースト菌に向くパンもあれば、そうでないパンがあるんですよ。自分で起こした酵母菌はいろいろな菌が混ざっています。エリート集団に比べると発酵力が弱いので、温度管理や発酵に時間をかけないといけないとか、手間が増えるんですけど、そのかわり焼き上がったパンの風味はとても豊かです。引きが強くてモチモチで、噛めば噛むほど、しっかりとした味が出てきます。

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▲諏訪さんが自身で起こした酵母菌

Qお店の看板がとてもユニークですね

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▲諏訪さんの長男が書いた文字を使った看板。「わ」の文字が独特だ

看板の文字は、長男が5歳の時に書いたものをベースにしています。特に「わ」の文字とか、おもしろい書き方をしていたのでいいなと思いまして。店の内装などをデザインしてくれた方に「この字を使いたいんですけど」とお願いし、いろいろなデザインを提案してもらったんです。その中に「ぱ」の丸の部分を花丸にして、かわいくデザインしてくれたものがあり、家族で「このロゴがいい」と即決しました。いい記念になりました。

Q休日はどのように過ごされていますか?

子どもといっしょに遊ぶことが多いです。プールに連れていったり、温泉に行ったり、近所の公園で遊んだりとか。夏には海に泳ぎに行ったりもします。自分の趣味としては、まだ余裕がないですけど、いずれは釣りをやってみたいなあと思っています。

Q今後の目標を教えてください

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パンを作るだけでなく、パンの食べ方も広めていければいいなと思っています。海外ではパンは主食ですが、日本では食事との組み合わせ方が分からないっていう人がまだまだ大半です。「このパンなら、こんなおかずに合いますよ」とか、どんどん提案していきたいなと。パン教室を開くのもいいですね。パンのつくりかたを教えて、その時におすすめのスープなどの料理といっしょに食べるのもいいなと思います。他にもお酒を飲む時に食べるパンがあってもいいんじゃないかと思っています。そういうパンを考案していきたいですね。

Q松前町に移住を考えている方にアドバイスをお願いします

どこで生活していてもそうだと思いますが、目的意識をしっかりと持って動いたほうがいいと思います。私の場合、妻の実家が松前町でしたので、2年間しっかり修行して店を立ち上げると決めて松前町に来ました。例えば、農業をやりたいのであれば、農業のことをきちんと調べて勉強しておく。ただ来たい、住みたいだけで、生活できなかったら、意味がないので、生活ができる基盤を明確にして来られるほうがいい。都会に比べると仕事が少ないので、ただ住みたいというだけでは難しい。こちらで生活できるだけの準備をちゃんとした状態で来るべきですね。
コミュニケーションについては、あまりカベをつくらないでオープンにしていたほうがいいですね。こちらの方は基本的にはシャイな人が多くて、最初は見えないカベのようなものがあるんですけど、こっちがカベをつくっていなければ、徐々にカベがなくなります。素直な気持ちで「教えてください」とお願いすれば、古くから住んでいる方たちは、よそから来た人に対しても、何でも教えてくれますから。積極的に声をかけていくといいし、そうすることで地域のコミュニティに溶け込んでいけると思います。

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PROFILE

移住先エリア

諏訪智彦さん(39歳)
横浜市出身。妻・美鈴さん、息子さん2人の4人家族。サラリーマンを経て、2012年11月、松前町筒井に製パン店「すわぱん」をオープン。

「すわぱん」facebook
https://www.facebook.com/すわぱん-308700529246112

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