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移住者インタビュー

明間(あかんま)から世界へ和紙の魅力を発信する元ファッションモデル

西予市山暮らし起業

西予市の山あいにある宇和町明間(あかんま)に、和紙工房「りくう」がある。佐藤友佳理さん(37)はファッションモデルから和紙デザイナーに転身した経歴の持ち主。故郷の内子町五十崎(いかざき)で実績を積み、2012年に明間に移住した。名水百選に選ばれた「観音水」を使って和紙を漉き、多くの作品を国内はもちろん、ロンドンなど海外でも展示。文化の町・西予市から世界へ、明間の魅力がつまった和紙を精力的に発信している。

Q明間に移住するまでの経緯を教えてください

東京とロンドンでファッションモデルの仕事をしていました。ロンドンから東京に戻った後もモデルの仕事をさせてもらっていたんですが、いつかは和紙に携われたらいいなと。というのも、私は和紙作りが盛んな内子町の五十崎出身なんです。和紙は小さなころから身近にあるもので、小学校の卒業証書も6年生の夏休みに自分たちで漉きました。凧も自分たちで作ったり、和紙工場に写生に行ったり。地元の和紙に興味を持っていたので、いずれは力になれたらと思っていました。
モデルを辞めた後、桑沢デザイン研究所で2年間、デザインの勉強をしました。2年生の時、父の建設会社「りくう」が愛媛県産業技術研究所との共同開発で建築向けの和紙を五十崎で作ることになり、助成金をいただくことになったんです。それで、地元の手漉き和紙復興の一助になればと思い、東京と内子を行き来しました。和紙製作がすぐに仕事になるとは思っていなかったんですが、それが商品として、仕事としてやっていける見込みがあったので、卒業後の2010年に内子に戻りました。父の会社の和紙事業部に入って、和紙作りに取り組んでいました。

Q地元の内子町から明間に移住した理由は?


▲自宅隣に建てられた和紙漉き工房

父の会社が合併するのを機に独立することになって、2012年6月に明間に引っ越してきました。今、住んでいる家は、祖父母が暮らしていた家で、その隣に工房を建てました。明間は和紙を漉くのに適した場所なんです。名水百選に入る観音水は、きれいで柔らかく、おいしい。松山のほうから、1時間以上かけて水をくみに来られる方もいるほどです。毎日約8000トンが湧き出ているそうで、水量も豊富なんですよ。和紙の原料の「楮(こうぞ)」を洗うのにも、和紙を漉くのにも、水をたくさん使うんです。水をケチケチしていると、和紙は漉けない。この辺り一帯は観音水を引いており、水道代を心配することなく、水をたくさん使えるので、とても助かっています。

Q明間に移住されての印象は?

時間がゆっくりというか、のんびりで静かですね。ずっと都会で暮らしていて、時間の早さや人の多さに疲れていたところがあったので、ゆっくりと過ごすには本当にいい場所です。自分のペースで、自由に製作できて、すごくいい環境です。近所の方も良い方ばかりで時々、お話しにきてくださったり、お隣の方が畑仕事の帰りに寄ってくれて「頑張りよるね」と声をかけてくださったり。野菜もいただいたりしています。明間の方は、おおらかでやさしいし、ゆとりがあります。
一次産業が盛んな場所だけあって、食べものには困らない。新鮮で旬な食べものがすぐに手に入るということはすごく幸せなことだと思います。生産の地に住むことの楽しさとか、自然を楽しめる人にはオススメの場所ですね。

Q明間の魅力は何ですか?

自然の豊かさですね。観音水が湧き出ている場所まで片道20~30分。毎日ではないけど、できるだけ散歩しています。朝、作業を始める前に散歩したり、製作途中でいろいろと考えたり、煮詰まったりした時、散歩に出れば、リセットできます。東京で住んでいた場所はすぐに緑のあるところに行ける環境ではなかったので、明間の自然は自分にとっては感慨深いものなんですよ。木や緑がイキイキとした田舎は、元気がモリモリとわいてくる感じがするじゃないですか。自然のエネルギーをもらって和紙を作ることが、私にとってはすごく大切なことなんです。みなさんにも、たぐいまれな自然に触れてほしい、感じてほしいという思いはありますね。
あと、四季が四季らしく、春夏秋冬の季節感を感じられるのがいいなと思いました。都会ではあまり四季を感じることがなかったので。特に桜がすごくきれいなんです。肱川沿いにある明間河川公園は桜並木になっていて、桜の名所と呼ばれています。お花見には毎年、家族で行きますよ。1月の大寒波の時はすごい雪でしたね。2、3日間、家を出られなかった。冬らしい冬ですよね。自然に逆らわないように生きるのもいいと思います。秋祭りや亥の子などの昔からの行事も残っています。


▲佐藤さんの散歩コースにもなっている名水百選・観音水

Q地元の方とのおつきあいはいかがですか?

同年代の方たちに飲みに誘ってもらったり、バーベキューなどをしたり、仲良くしてもらっています。やさしくて、おもしろくて、キャラクターが立っている人が多いですね。自分をしっかり持っているというか、何かにこだわりを持っている人も多い。卯之町の人たちとも飲むことがあるんですが「明間の人って、キャラが立っているよね」とよく言われます。私も含めてそうなのかなと。移住者の方も増えてきましたね。西予市の地域おこし協力隊に埼玉出身の方がいたり、イタリア人のご主人と大洲出身の女性の夫婦もいます。明間に魅力を感じているんだなと思います。
ただ、移住者のみなさんは、家がなかなか見つからないって言われます。地元の方は先祖から受け継いで、守らないといけないものとして家を所有しているので、なかなか移住者に貸すには至らないことが多くあるんですね。だから、家を探している移住者同士が情報を交換したり、そういうネットワークが若い人たちの間でできていて、困っていたら助け合える関係にあります。私は先に移住しているので、分かることは教えることができますしね。

Q明間での仕事内容を教えてください

ゼオライトを使った和紙を作っています。ゼオライトとは天然鉱物で、水分子と気体分子の呼吸機能を保有しています。愛媛県産業技術研究所がパルプにゼオライトをつける研究をしていて、その技術を和紙の製造に生かしましょうとなった時に、父の建築会社で和紙を作ることになったのがきっかけです。和紙の原料の楮とゼオライトを混ぜた水で漉くことで「呼吸する和紙」ができます。呼吸する和紙は、湿度調節と消臭機能があります。

Qロンドンで展示会をされたそうですね

はい。「MORE THANプロジェクト」という、日本の魅力ある商材・サービスを海外に発信していくプロジェクトに選ばれ、経済産業省から助成金をいただいたので、ロンドンで1、2月に展示会をしました。西予市はヒノキも有名で、地元の方に作っていただいたヒノキの台を使った照明も展示しました。木と和紙は密接な関係性のあるものだと思っています。今後も、もっと積極的に作品を発信していければと思っています。


▲空気の流れを遮断せず、風や光を共有することができるランダム和紙の衝立

Q休日はどのように過ごしていますか?

マッサージや温泉に行ったりしています。温泉が好きで、西予市の温泉は網羅していて、いつも「どこに行こうかな?」と考えています。明浜にある塩風呂に行ったり、肱川の小薮温泉に行ったり。あとは、卯之町の池田屋ギャラリー喫茶に行って、アーティストや作家の人たちと話をしたり、音楽イベントを観賞したりして過ごしています。

Q今後の目標を教えてください

ボーダーなく、いろんなところで仕事をしていきたいですね。田舎とか都会とか関係なく、明間で作ったものをたくさんの人に見てもらえるようにしていきたい。内子の時から約6年間、地元密着でやってきたので、少し枠を広げたい。今後も地元密着は変えずに、ステップアップしていきたかったので、ロンドンで展示会をしました。いろんなところに作品を展示することを通して、明間に興味を持ってもらうことができれば、地元にも貢献できるかなと思っています。いまは全国各地で、地元の特産品などを外に売り出そうという動きがありますよね。地方創生の意識が強い場所は、地元の人が地元のことを好きな人が多いところだと思うんです。私は明間が、宇和町が好きなので、それをもっと外に自慢しに行こうと思っています。西予市のヒノキと和紙を使って、商品化していきたいですね。

Q西予市に移住を考えられている方にアドバイスをお願いします

手に職があったほうがいいですね。移住をされる方は元々、自立できるスキルを持っていて、これでやっていこうというバイタリティや目的意識のある方が多い。宇和町は文化の町と言われていて、すごく文化が栄えています。デザイナーやファッションデザイナー、ミュージシャン、クリエーターも増えてきて、松山からイベントで来た人たちに「宇和、いいね。宇和の人たち、おもしろいね」と言われることがあります。創造性のある人、感性の豊かな人が多いので、モノづくりや創作活動に興味がある人には、西予市はすごくオススメしたいなと思います。
あと、移住者は地域の方との関わり方に悩むことがあると思いますが、たとえば何曜日の地域の清掃活動には出ますとか、回覧板はきちんと回しますとか、当たり前のことはもちろんですが、自分が貢献できるところとできないところを自分なりに決めて、地域の方とできるだけコミュニケーションを取りながら生活することが必要だと思います。私の場合は和紙を作ることで、明間のすばらしさを多くの方に知ってほしいと思っています。自分の意思をはっきりと持ってクリアにすれば、地域の方と仲良くできると思います。

PROFILE

移住先エリア

佐藤友佳理さん(37)
愛媛県喜多郡内子町出身。東京、ロンドンでファッションモデルとして活動後、内子町にUターンし、和紙デザイナーに転身。2012年に西予市宇和町明間に移住。

「りくう」HP
http://www.requ.jp/

「りくう」facebook
https://www.facebook.com/%E3%82%8A%E3%81%8F%E3%81%86-760567224089543/?fref=ts

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