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2023年3月24日
南予
海暮らし
東京都
愛南町
趣味からたどりついた海の暮らし。最高の日々が、待っていた。
(名前) 高橋翔さん、高橋香さん (職業) 「西海観光船」経営

愛媛県の最南端に位置する、愛媛県愛南町。このまちに、スキューバダイビングがきっかけで、東京都から移住して海のアクティビティを提供する会社を運営するのが高橋翔さん、香さん。2人の人柄のように、気負いない、ステキな移住ストーリーをお届けします。

うつくしい海と出会う体験が、いまにつながる

サンゴ礁が広がり、多くの魚がすむうつくしい海に恵まれた愛南町は、キャンプ、釣り、サイクリングと、さまざまなレジャーが体験できることで知られています。中でも、シーアクティビティの拠点となっているのが、海沿いにある「西海観光船」。海の底をのぞく観光船やスキューバダイビング、海の底を歩く「シーウォーカー」と、愛南の海に触れるさまざまな体験を提供する会社です。

高橋翔さん、香さん夫妻は2016年に東京都から移住し、この施設の運営を任されています。「海の中で息ができる。この体験の魅力に惹かれたんですよね」。翔さんの言葉に、「たくさんの魚とすぐ出会えることに感動しました」と続ける香さん。旅行で訪れた愛南町で、スキューバダイビングを体験した時の興奮が、いまの暮らしへと導くきっかけでした。

地域からのラブコールを受けて、“引っ越し”

2人とも、東京都出身。実家も近く、同じ高校へ。高校を卒業後、翔さんは音楽の専門学校を出て、音楽活動のサポートなどを仕事にかかわります。香さんは美大をあきらめ、美術館の監視の仕事をしたり、新橋のおでん屋で働いたりと、2人とも好きなことから遠く離れず、暮らしていました。高校以来の友人だった2人はそのうち、休みを合わせて東京近郊の自然へと出かけるようになります。「地図を片手に、あ、ここに滝があるね、行ってみようか、みたいな」と、2人。

友人関係はいつしか、互いにとって人生の相棒のような存在に。長い交際期間を経て、同居をはじめた2人は、初の四国へ旅に出ます。2013年、総走行距離2000キロ以上にもおよぶ旅へ出発。連日、車中泊やテント泊を続ける道中、愛南町の国道で、「西海観光船」の看板に目が留まりました。

「途中の高知で海のすばらしさを知ってから、海って文字に惹かれて立ち寄りました。船に乗って海底を見る観光船に申し込んだのですが、海のコンディションがよくなくて、スタッフの人に『やめといた方がいいよ』って言われて。でもあきらめきれずに乗ったら、僕らにとっては感動で。キャーキャー騒いでいたら、スタッフさんが『スキューバもできるよ』って教えてくれました」。その翌日、初めて体験したスキューバダイビングは「水中でずっと息をしながら生き物が見られる。すごく楽しかった!」。

体験の楽しさが忘れられず、ダイビングの免許をとりに翌年9月、ふたたび愛南町へ。県内でも有名なキャンプ場で寝泊まりしながら、毎日海へ繰り出します。翌々年は、西海観光船のスタッフ不足から、手伝いながら潜る日々。2日間、2週間、2か月と、年々滞在期間が長くなるうちに、2人の誠実で明るい人柄から、地域の人たちとも深いつながりができ、スタッフとしても欠かせない存在になっていきました。

その結果、「西海観光船の社員に」と誘われた翔さんと香さん。「好きな海にかかわれるし、仕事もあるし、じゃ、引っ越そうかという感じで」、2016年愛南町へ移住しました。

“東京が嫌になった”とか、“田舎暮らしをしたい”とか、つよい思いがあったわけではないものの、「いつの日かおもしろいことをしたい」という夢のような、野望のようなものをずっと抱いていた翔さん。それでも、「移住してがんばろう!と意気込んだのはなく、なんとなく流れがよくって。仲良しになった人もいて『もう来ちゃったら?』みたいな雰囲気で。だから、ためらわずにここに来ることができたのかもしれませんね」。

何度もその地に足を運び、人とつながる中で、人生を変えるチャンスが運よくめぐってきた。それが、翔さんと香さんの移住ストーリー。人生の上に突然転がり込んできた、東京から小さな港町への遠い、遠いお引っ越し。それから8年が経ったいま、愛南暮らしは「最高ですね。困ったことは、大好きな東京のラーメン店に通えないことぐらい」と2人は口をそろえます。

「東京で暮らすより楽なことがすごく多いんです。僕は満員電車が苦手でした。それが解消されただけでも日々が楽です。あと、こっちで暮らしはじめてから、なんでもできるようになりました」と翔さん。

“なんでもできるようになる”という、移住後の変化

仕事も人もあふれている都市部。一方、地方の小さなまちでは、仕事も人も限られています。だからこそ、自分たちでできることは自分たちの手で、できないときはできる人がフォローし、支え合う。そうやって暮らしが営まれていきます。

翔さんと香さんも、「西海観光船」の店舗や自宅のD I Yをはじめ、地域のいろんな役も担っています。「東京のころとは、どう伝えていいのかわからないぐらい、違うことがいっぱいです。移住しなければ一生やらなかった(だろう)ことにまみれています。あ、妻の性格も変わりましたね。明るくなった!」。翔さんの言葉を受けて、「そう?」と、ほほえむ香さん。 「確かに、人と話す頻度はめちゃくちゃ増えましたね。東京では、接客業をしていても事務的なやりとりで終わる。今は、お客さんと一緒にお酒を飲みに行くこともしょっちゅうです。行きつけの居酒屋さんがすごくおいしくて、『ダイビングはしないんだけど、あの店を予約して』なんていうお客さんもいるんですよ」

愛南暮らしのゆたかさを、一人でも多くの人に伝える

海も山も川もそろう愛南町は、食材の宝庫。魚の種類の豊富さとおいしさは、格別です。「どの魚介もめちゃくちゃおいしいですよ。“食”が本当に最高で、それだけで移住してよかったなと思えます。みんな愛南町へおいでよって言いたいけれど、問題は“職”だよね」とご夫妻。そこで、西海観光船がその受け皿の一つになれるよう、翔さんと香さんは励んでいます。

「今度、他県から2人来るんです。こういう場所で暮らしたいという人は結構いるので、自分たちの取り組みがきっかけで、どんどん人が集まって、愛南の海をきっかけにいろんなことができたらおもしろいですよね。あとは教育にも力を入れていきたい。体験だけで終わらせるのではなく、子どもも大人も海のことを学ぶ場にしていきたいですね」

海にもぐり、未知の世界に魅了され、暮らしの拠点を変えた翔さんと香さん。偶然出会ったまちの、未来のために自分たちができることを、「自分たちが一番、楽しみながら」、挑み続けていきます。

PROFILE
移住先エリア
※移住先周辺の地図であり、正確な場所ではありません。
出身地 東京都
移住元 東京都
移住先 愛南町
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