『移住体験談』

移住体験談

バックナンバー

宇和海の絶景とカラフルな珊瑚に一目惚れ

2008-09-02

p-1Mr.furue.JPG
▲海里ダイビングスクールの古江英一さんとスタッフの堀内香織さん

 「海のお花畑」と謳われるカラフルなソフトコーラルやテーブルサンゴの間を、色鮮やかな熱帯魚が泳ぐ足摺宇和海国立公園は、全国的に知られたスキューバダイビングの人気スポット。美しいサンゴに魅せられて、今年3月、千葉県の館山から愛南町に移住し、海里ダイビングスクールをオープンした古江英一さん(60歳)に、移住を決めた経緯を伺いました。

●移住を思い立ったきっかけは?
p-2house.JPG

 こちらに来る前は、千葉県の館山でダイビングのインストラクターをやっていました。ずっと現役バリバリで潜っていたので、年齢を気にしたことはなかったんだけど、昨年、還暦を迎えて、周りの仲間にお祝いをしてもらううちに、「そろそろ若いのに店を譲った方がいいのかぁ」と感じるようになって(笑)。
 昨年の10月にダイビングショップを退職して、老後をどこで過ごそうかと考えた時、田舎が九州の大分で、親戚もいるし、そろそろ帰ってもいいかなぁと、大分の海岸沿いをいろいろ見て回ったんだけど、ダイビングに関しては、自分の田舎ながらどうもしっくりこない。
 それで、ふっと、関東の人にとって憧れのダイビングスポットである四国に行ってみようと、大分から船で愛媛に渡ってみたら、直感で「あっここいいや!」と(笑)。ひらめきというか、ここに住みたいなと思ってしまったの。
 普通だったら、いろいろ下調べして、夫婦で何回か来て、泊まって、体験して、それでここにしようと決めるんだろうけど、僕は女房といっしょに、あーだこうだというのは苦手なんだよね。
 だいたい僕は「パッと思ったらパッと行動する」タイプだから(笑)。そんな感じで、今年の1月に一回来ただけで、ここに住むことに決めちゃったのよ。

●愛南町のどこに惹かれたのですか?

p-3sunset.jpg

 まず、景色がいいよね。景色が良くて、1回潜ったんだけどサンゴがきれいでしょ。それと、ここに住んでいる人たちが、ものすごく親切で、面倒見が良くて、何でも思ったことを本音で話してくれるのが、僕のストレートな気性にあってるの。僕、遠回しなのが嫌いなのよ(笑)。
 それで一回来て気に入って、そのまま愛南町の役場に行って、「どこか住むのにいいところない?」と相談したら、役場の人もいきなりだから「本気なの」って心配してくれたんだけど、「本気だから探してください」っていってからの動きがはやかったねぇ。
「ちょうどいいところがありますよ」って空き家を紹介してもらって、「じゃ、ここに住むわ」と決めて、すぐに引っ越してきたの(笑)。


●こちらに住まいを決めた理由は?

p-4beach2.jpg

 ここは、ちょうど由良半島の付け根にあたるんだけど、下の倉庫が真珠とかの養殖の資材置場になっていて、そのまま手を加えなくてもダイビングショップとして使えそうだと思って。

あと、家の目の前に元越(もとのこ)海岸という遠浅のビーチがあるんだけど、内湾になっていて波も穏やかだから、ここで体験ダイブやスクールもできるなと。
 とりあえず、一年ぐらいは、今後どうなるか様子をみたいから、家を建てたり、ショップを建てたりしてお金をかけたくない。
 それで、この家を借りることにして、3月18日に引っ越して、ショップがオープンしたのが4月1日だから、ほんと早いよね(笑)。

p-5goods.JPG
▲ダイビング用の器材

●突然の移住ですが、奥様の反応は?

 女房は千葉でパンフラワーの先生をしていて、それがやっと軌道にのってきたところなので「責任があるからすぐにやめられない。とりあえずあなた行って」ということになって(笑)。
 実は、45歳の時に、館山のダイビングショップでインストラクターを始めたときも、パッと思い立って決めちゃったから、最初は単身赴任だったんですよ。だから単身赴任には慣れてるの(笑)。
 今回は、館山のダイビングショップで一緒に働いていた、教え子のスタッフ二人が一緒にこちらに来てくれて。僕は子どもがいないし、館山では、民宿を借りて、僕ら夫婦が管理人のような感じで、スタッフ10人ぐらいとずっと一緒に暮らしていたから、スタッフは、もう自分の子どものような感じでね。 
 スタッフと女房の間でも電話やメールでやりとりしているから、だいだいこっちの状況はわかっているみたいで、安心しているようです。いずれは、女房もこちらに来たいとはいっているんだけど。

●愛南の海でのダイビングの感想は?

p-7togetosaka.JPGp-8sunokawa.jpg
▲ハードコーラルとソフトコーラルが同時にみられるのも愛南の海の魅力
 
 いいね!すばらしい。ずっと愛媛にいる人は汚くなったって言うけど、僕ら関東から来た人間にとっては、とてもきれいなの。水温も高いしね。関東と2度は違うんじゃないかな。

 魚にとって、水温が1度違うっていうのは、陸上で言えば5度ぐらいの差があるっていわれるから、見られる魚も違うし、種類も多い。透明度も千葉なんかだと、平均5m程度だけど、ここは10mを越えるしね。

p-9map.jpg

 今、時間をみつけては、あちこち潜ってダイビングスポットを開拓中なんだけど、地元の漁師さんに、この辺いいよって教えてもらって潜るとどこも良くてね。潜った中から、流れがあまりなくて、珊瑚もあって、水深のちょうどいいポイントを1〜2カ所絞りたいなと思って調査中です。

 オープンしてからは、千葉で一緒だったダイビング仲間が潜りに来てくれるんだけど、やはり、遠いから、お金もかかるし、1年に一回とか二回ぐらいがせいぜいだよね。関東の人にとって、四国の海は、憧れではあるけど、なにぶん時間と交通費がかかるから、気軽には来にくい場所なんだよね。
 将来的には、そのあたりを工夫した愛南へのダイビングツアーを組んで、東京に情報発信できたらなぁと思っていますが、まずは、地元の松山とか宇和島あたりから集客をはかりたいですね。
 
 まあ、ダイビングは「まさに水商売」で、天候次第のところもあるから、あせらずにゆっくりやるしかない(笑)。一年間は、ほとんど収入がないだろうと覚悟しているので、副業で干物づくりが出来ないかと漁師さんに教えてもらっているところです。

p-10kumanomi.JPG

▲「カラフルな熱帯魚と食べられる魚が両方見られるのは楽しい」とスタッフの堀内香織さん


●こちらでの暮らしはいかがですか?

住んでまだ3カ月だけど、地元の地誌や写真集で、この地域の段々畑の歴史を知ってすごく感動したね。いろいろご苦労もあっただろうと思うのに、写真を見るとみんな表情が明るいのよ。こちらの人は強さと優しさをもっているよね。
p-11photo.jpg

▲地誌や写真集で地元の歴史を勉強

あと、僕は食事をつくるが好きなんだけど、ご近所の方が、アジやキビナゴなどの魚やお野菜をしょっちゅう届けてくださる。地元特産のヒオウギ貝もめずらしいだろうとわざわざ持って来てくださったり。
 それと、カメの手!最初は、こんなの食べるのとびっくりしたけど塩ゆでするとうまい! 岩ガキもおいしいね。本当にみんないい人ばかりで、あれこれと目を掛けてもらって、本当に感謝しています。
p-12kame.JPG 
▲「亀の手」と呼ばれる貝


 今でも周りの人に「古江さんみたいに無計画に来た人はいない」って、よくいわれるんだけど、やっぱり、町の人がいろいろ親身になってやってくれたから、こんなに早くこちらに来られたんだと思います。
 今は、ここまでみんなに良くしてもらったら、次は僕たちが頑張らなきゃなっていう心境です。地元のみなさんへ少しでも恩返しができたらうれしいですね。

-PROFILE-
古江英一さん(60歳)
海里ダイビングスクールオーナー
平成20年3月に、千葉県からIターン
ホームページ  http://manatees.kaz7.com/kairi.html
ブログ     http://kairi-diving.cocolog-nifty.com/blog/

バックナンバー


ページの上部へ移動