家族で支え合う養鶏と自然農法の暮らし
2007-09-02

●1冊の本で愛媛県への移住を決意
大阪府で自営業を営み、合気道の道場を開いていた中谷信弘さん(64歳)が、愛媛へ移住したのは16年前のこと。
「あこがれだったんです、自然の中で農業を営む生活が。チャレンジしたくて、農地を探していた頃に、1冊の本に出会ったんです」。その本とは、愛媛県で、耕さない・除草しない・肥料を与えない・農薬を使わない自然農法を実践している福岡正信さんの著書「わら一本の革命」。それをきっかけに愛媛で自然農法に取り組むことを決意。長男の太郎さんが伊予高校を受験し合格したので、家族5人で旧双海町に移住。

●内子町の山奥に移住、野菜作りと養鶏を営む
当初、農法の違いもあり、畑を借りるのも難しい状況だったそう。そんな中でも、少しずつ野菜を作り、軽トラックに積み、拡声器で呼びかけての販売を開始。
次第に応援してくれる購入者が増え、情報交換する中、内子町の山奥の農地付き空き家情報を得ます。山奥での暮らしに不安もあったが妻の隆子さんの「ここでやろ!」一声で一家は内子町へ移住。
その後下2人の息子さんたちも伊予高校へ進学し、山の上から片道1時間以上かけて、自転車とJRで通学。「3人ともジムに通わず運動できました」と笑って当時を振り返る中谷さん。
現在、太郎さんは独立、残る家族4人で農業と養鶏を営む毎日。所有する農地も増え、作っている野菜の種類は「スーパーで売っているものならほとんど、作っていますよ」。その野菜は今も、消費者宅へ配達しています。
養鶏は三男の天平さんが担当。700羽の鶏を平飼いにし、その有精卵を愛媛有機農産生活協同組合などに出荷。次男の竜介さんはその卵でシュークリームやシフォンケーキなどを作り、道の駅「からり」で販売。「4人が助け合い、足りないところを補い合って暮らしています。4人で、一人前や」。仲の良さも自然流です。

●半分農業、半分やりたいことをする暮らし
中谷さんはご自身を農業者というよりも、「ただ生きることに積極的なだけ」と言います。「この美しい自然に囲まれた環境で、半分、農業をしながら、半分、自分のやりたいことをして暮らすのが理想です。それを家族がお互いに理解し、協力しあって、実現していきたい」。
農業のほかに竜介さんはダンス、天平さんはお芝居をしているそう。中谷さん夫婦のやりたいこととは?「田舎に移住する都会の人の悩み相談役ですね」。お二人は移住者たちの、心強いアドバイザーでもあります。
えひめリビング新聞社発行『50代からの生き方&暮らし方を応援 愛媛まつやま エイジング』より転載
-PROFILE-
中谷信弘さん
年齢 64歳
職業 農業